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2008.05.18 (Sun)

第10楽章 3小節目

「ユウ、どうだ?弓で弾くの慣れたか?たしかそういうのをアンコウって
言ったっけ?」
「アンコウじゃねえ!アルコだ、バカヤロ」
 ユウは、以前からジャズベースをやっていたが、おれがオケのコンバス
に指名するまでは、弓弾きをほとんどしたことがなかったんだ。
「まあ、前からこの楽器に触っていたからな。弓で弾くのもそんなに違和感
はなかったよ。ま、おれの才能をもってすれば当然とも言えるがな」

 そのでかい口はおいておくとして、とにかくユウのような経験者がいてくれ
たのには助かった。なぜなら、コンバス隊の他のメンバーであるボスとメイ
に教えてくれているので、比較的順調にいってるみたいだからだ。
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「よーし、じゃあやろうかー。第1楽章冒頭の序奏部からいってみよう」
 おれは、コンバス隊3人に向かって指揮棒を持って構えた。
「いくぞっ、せぇの」
 指揮棒を振り下ろした。

 ゴゴゴ〜。

 序奏部1小節目、ラの音を一斉に出す所なのに、見事に一つずつずれた
音がおれの耳に飛び込んできた。
「!・・・・・・・・・・・」
 おれは指揮棒を持った腕をだらりと下げた。

「・・・・・・・・・・・・」
 コンバス隊も音を止めて、おれの方を向いて沈黙していた。

 しばらく顔を見合わせていたが、このままではいけないと思い、おれは
気力を振り絞って言った。
「ど、どうして同時に音が出ないの?」
 
 ユウが代表して答えた。
「どうしてって、おまえの指揮棒の振り方じゃあどこから入っていいのか
タイミングが分からないからさ」
「な何で?おれがこう指揮棒を振り下ろして、こう返ってくるところが音の
入るタイミングだろ?」
「アイ、おまえの言ってることは分かるんだが実際にそれに合わせようと
しても、無理だ。何かもっといいやり方は、ないのか?」

 ヴァイオリン隊との練習で失敗していたので、必死に考えて工夫して
今日に臨んだつもりなのに・・・・・・・。またしてもダメ出しをくらってしまった
・・・・・・・。

 おれは絶望感に襲われ、ただ立ちつくしていた。

                           to be continued・・・・・・ 

[参考文献&URL]

 ・『ベートーヴェン 交響曲第七番イ長調 作品92』  全音楽譜出版社
 ・『カラー図解 楽器のしくみ』 緒方 英子著  日本実業出版社
 ・『おもしろ楽器館』   http://www.e-digitalpark.com/music/instrument/contrabass.html 
 ・『リタルダント2』 ←またコンバス画像お借りしました。ありがとさんです!
   http://blogs.yahoo.co.jp/mizuki2no1

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 ♪指揮者 桜島愛の試練の日々をもうちょっと続けよっかな・・・・・・・・。
  アイっ、本当にゴメンナサイ!

テーマ : 自作連載小説 ジャンル : 小説・文学

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