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2008.04.29 (Tue)

第8楽章 3小節目

 しばらく音楽室内は、沈黙状態が続いた。ミオの言ったことに反応して
考え込んだからでは、ない。

 何も反応できないからである。

 と、とにかくおれは、みんなに理解できる話に持っていかなければ・・・・・。
「ミオ、その・・・・・、ゼッタイオンカンって何なんだ?」
「うーん、簡単に言うと、どんな音でも音名で言えたり、音名を言ってくれたら
その音の高さの声を出せる感覚のことよ。たとえば、音楽室のドアの閉まる
音はシだとか、桜島くんの歩く靴音はレ♯だとか・・・・・」
「へーそうなんだ。音が全部ドレミファソラシドで聞こえるのか・・・・・。なんか
超能力みたいでカッコいいな」
「でも、いいことばかりじゃないの。みんな歌を聴いたら自然とその歌詞の意味
を理解するでしょ?私の場合は、意識して聴かないとそれもドレミファにしか
聞こえないの。それに、音を言い当てることができるって言ったら気味悪がられる
こともあるし・・・・」
 そう言って、ミオは下を向いてフッとため息をついた。
 ミオには悪いが、おれは普通の人にはないそんな能力を持っているこいつが
無性にうらやましかった。

「ミオ、心配するな。おれたちは仲間だ。だれもおまえを気味悪がるやつなんか
いないぜ」
「ありがとう。あ、そうそう。機械じゃないのに、何でラの音が分かるのかって、
八坂くん言ってたよね?それは私にも答えられないのよ。物心ついた時にはそう
なってたから・・・・・・。でも、さっき私が指示した音が合っていることは、確かよ。
どこかに音叉があればそれを証明できるんだけど・・・・・」
 ミオが、当たり前のように平然とそう言った。

 なにやらミオが別の星の人間のように見えてきた。ちょっぴり劣等感も覚えた。
でも、そういう風に思われるからミオは傷つくんだろうな     
 今度、ミオがいない時に絶対音感のことは、ミオにしつこく聞かないようにみんなに
釘をさしておこう。

                                to be continue・・・・・

[参考文献]

 ・『絶対音感』  最相 葉月著    新潮文庫


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テーマ : 自作連載小説 ジャンル : 小説・文学

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*Comment

■コメントどうもありがとうございます。

まぁ、絶対音感は持っていたら、それはそれでアレなこともあるようですね。
しかし音楽に関わるものとしては興味はあるものです。
smock |  2008.04.29(火) 23:56 |  URL |  【コメント編集】

■smockさん

こちらこそコメントありがとうございます。
絶対音感にはぼくも惹かれていて、これをテーマにして
小説を書いてみようかな、とも思っています。
また遊びに(勉強に?)おじゃましまっす!
ゆうたろう |  2008.05.01(木) 10:12 |  URL |  【コメント編集】

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