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2008.05.03 (Sat)

第8楽章 5小節目

 それからさらに全員のチューニングが行われ、ようやくそれが終わった。
 やれやれ、チューニング一つでこれだけ手間がかかるとは・・・・・。
 おれは、心の中で深くため息をついた。

 しかし、すぐに気持ちを切り替えようと努力した。
 いやいや、むしろこうやって一つ一つ問題を乗り越えていくことによって
こそ素晴らしいものができるに違いない。がんばろう!

 おれは、指揮棒を頭の上で振り回しながら叫んだ。
「よーし、みんな!そろそろ練習始めるかっ!」

 おれは最初から全員で演奏する前に、まずは経験者の比較的多いヴァイオ
リン隊だけの演奏で指揮棒を振って感じをつかんでみたいと思い、昨夜考えて
いた練習の進行手順を実行に移した。
「じゃあまず試しに、ヴァイオリン隊だけでいってみよう。第1楽章の盛り上がって
いく所・・・・・・えーと14小節目から。1,2,3,4の次に入ってくれ。いいか?いくぞ、
1,2,3,4!」

 一斉に、とはとても言えないバラバラのタイミングで、ヴァイオリン隊が音を発し
始めた!

 ガーガグゲーギャーギャーゴーグギャー

 ううう・・・・・・。き気持ち悪いっ!・・・・・・。
 そのヴァイオリンの音らしきものがおれの耳になだれ込んだ瞬間、あまりのおぞ
ましさに不覚にも指揮台の上にいるにもかかわらず後ろによろめいた。

 しまった!足が宙に浮いているっ!

 足を踏み外したおれは、両耳を手でふさいでいるミオを目の端で捉えながら、
そのまま後ろへドドドドドードターン!と倒れ込んだ。

 頭を強打し、薄れいく意識の中で、おれはつぶやいた。
「何だこの音は?・・・・・ゲン、タカ、トモ、おまえらヴァイオリン弾けるって言って
たじゃないか・・・・・・」

 おれは、気を失ってしまった。

                               to be continue・・・・・
[参考文献・CD]

 ・ベートーヴェン『交響曲第七番 イ長調 作品92』  全音楽譜出版社
 ・『のだめカンタービレ Selection CD Book1』 二ノ宮 知子   講談社

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テーマ : 自作連載小説 ジャンル : 小説・文学

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